第18章 そしてWCは伝説となる

『良かった、来ないかと思ったよ』

「やっほー。峰ちんにさっちん」

「ムッ君！久しぶりだね！やっぱりこの試合の結果は自分で見ないとって思ってね」

「だからいてーって。っと…良かったなさつき。どうやら役者がちょうど揃ったとこらしいぜ。最高潮（クライマックス）だ」

テツ君と涼君がコートに入る。と同時に海常からは安堵の息が漏れた。

藍「海常はギリギリだったようだね。もう少し遅かったら精神的に折れかけてたかも。それだけでも黄瀬君投入は正解だね」

「けどさー、残り時間４分だけどパーフェクトコピーは使えて２分じゃん」

辰也「あぁ。仮にミスなく使い切ったとしてもこの点差だ」

「…浮かない顔だな」

『…うん。今の状況、誠凛が追いつめてるのは間違いない。けど誠凛にはここに来て高い壁が待ち受けている上に、あの涼君の表情。一瞬も気が抜けないプレッシャーもある』

捺美「高い壁？」

『まぁ巧く回避するかもしれないし、ぶち当たった時にまた言うよ』

チームを勝たせるのがエース、確かに涼君はそう言った。皆の期待と信頼を背負ったエースは負けない。どんな事をしても勝ちに来る。制限時間がある大技を使ってまでも。

茉実「あれは赤司君の天帝の眼で切り返して、青峰君の超速ドライブ…まさかもうパーフェクトコピーを！？」

アンクルブレイクによって転倒していた体を立て直し、大我君はテツ君からのイグナイトパス廻を受け取り、レーンアップでカウンターを仕掛ける。が…

「おいおい…俺のアジリティに」

「それ俺のブロックだしー」

海常はとんでもない加速力で反撃を始めた。そして驚くべきことが起きる。

宗助「あれはさっき黒子がやったイグナイト廻…」

花帆「そんな、黒子君のパスまでコピーされたなんて…」

「勝つ！ここから残り俺の全てを懸けて…！」

テツ君のパスのコピーまではあたしにも予想外だった。どこまで進化するんだろう。興味と共に全身を鳥肌が走った。