第18章 そしてWCは伝説となる
すぐに第2Qが始まり、洛山が動いた。真ちゃんにダブルチームがつく。だけど秀徳は真ちゃんだけじゃない。秀徳の8番、宮地さん対葉山さんの1on1が行われ、宮地さんが勝った。そして今度は同じ人同士の1on1でもOFとDFが入れ替わり、葉山さんのOF。ドリブルをつく前にあたしは耳を塞いだ。瞬間、物凄い音が会場全体に響き渡った。
宗助「うわっ、うるせー!」
水希「普通ここまでうるせーモンなのか!?」
辰也「ドリブルってのは強くつくほどボールが速くて捕られにくい。だがここまでとは…」
「うーん、よく見えないけどあれ、指3本しか使ってないよねー」
梓「指3本!?」
兄「…だな。つまり指が増えれば威力は増す。あいつにはあと2段階上があるってわけか」
そして葉山さんはダブルクラッチで決めた。洛山が調子を上げてきた事により、じわじわと点差が開いてくる。秀徳は真ちゃんの3Pによりなんとか点は取れているが、征ちゃんの実力を出し切っていない今でも追いすがるのがやっとの状況だ。だけど秀徳はスクリーンやパスを繋いで得点を重ねる。
「このチームで足手まといなど、俺は知らない」
「ミドちん…」
そして第2Qの終了直前に真ちゃんの3Pが決まり、同点のままインターバルに入った。