第18章 そしてWCは伝説となる
ギャラリーに上がると物凄い数の人に囲まれてしまった。
愛海「朱音ー!会いたかったよー!相変わらずバスケしてる時の朱音は超かっこいいんだから!」
汐音「このこのー!創部1年目にしてIH・WC2冠しちゃうなんて!」
香代「まだ気が早いでしょ?ま、私は信じてるんだけどね」
千絢「凄くかっこよかったわ!今度私にもバスケ教えてね!」
他にも翔君や彰君、元クラスメイトや現クラスメイトの皆からおめでとうの言葉をたくさんもらった。花帆と宗君の姿が見えないけれど、どこかに行ってしまったのだろうか。とりあえず少し離れた所にいる家族の元に向かった。
『本当に皆で見に来てくれたんだ!』
兄「当たり前だろ!愛する朱音のためだぜ?親父なんて100枚くらい写真撮ってたぜ」
父「何言ってるんだ、ざっと200枚は撮った」
水希「いや、撮りすぎッスよ!つか俺にもください!」
母「あらあら、人気者ねぇ」
お母さんはあたしに買ったばかりであろう冷えているスポーツドリンクを手渡してくれた。お礼を言って一口飲むと、体に水分が染み渡っていくのを感じた。
兄「鉄平の試合はいつなんだ?」
『えーと…もう1試合女子の準決勝を挟んで、男子の準決の2試合目だから、ざっと3時間後くらいかな?』
母「あら、結構あるのね。赤司君の試合は?」
『1時間半後くらいかなー?』
父「それでも時間が空くな。朱音、お前はそれまでどうするんだ?」
『あたし?あたしは今からミーティングして女子の準決見ながらスカウティングして…うん、そこから自由だよ。征ちゃんと真ちゃんの試合も誠凛対海常の試合も見たいから、それまで残るつもり』
お父さん達もてっちゃんの試合まで見るつもりだったらしく、都合が良いと言ってくれた。そろそろ時間になったため、ロビーに出てミーティングを始めた。暫くは反省点の確認、次の対策等を念入りに行う。集中して気付かなかったが、あたし達の周りにはたくさんの人がいた。