第18章 そしてWCは伝説となる
テツ君の作戦のおかげで徐々に点差は広がっていくが、頻繁にマークチェンジを繰り返している今、体力の消耗は激しい。第3Q残り5分以上ある上に、まだもう1Q残っている。とりあえず第3Qは走れるだけ走った結果、14点差をつける事が出来た。
凜子「死、死ぬ…」
優希「思ったよりしんどいわね…」
捺美「…」
雅「なっちゃんー!?寝ちゃだめだよ!」
茉実「どうする、朱音?今のままじゃ集中力も切れてミスが出ると思うけど…」
茉実の言う通りだった。実際にもう2本のミスをしている。もう1つ作戦はあるけど、正直賭けになる。けど迷っている暇はない、皆を信じるしかないんだ。
『もう走らなくてもいいよ。その代り、もっとキツイ事になるけど、大丈夫だよね?』
「「「「はい!」」」」
『じゃあ時間もないから1回しか言わないよ。あのね…』
藍「なっ!それって大丈夫なの?」
『言ったでしょ、キツイって。けどあたしは皆を信じてる。皆なら絶対に負けないよ』
あつぃの言葉に皆の迷いの色が消え、力強く頷いた。そして第4Q、あたし達はコートに入った。
梓「本当に朱音ちゃんは凄い。けどさすがにもう打つ手なしって感じだね。ここからは意地の勝負だよ」
『打つ手なし?誰に向かって言ってるの。あたしの真似をしてる割には、何も分かってないんだね』
ここからは自分との闘いだった。今までの動きで確信した事が1つ。今日の相手は鏡に映った自分自身。だったら自分自身に勝つしかない。梓の手にあるボールをあたしはスティールした。
梓「なっ!?」
そしてそのままカウンターに移るが、凜子は綺麗にかわしてみせ、優希へとパスをしそれを3Pで決めた。今までとは別人のようなあたし達の動きに観客が盛り上がる。次のOFもDFもあたし達は圧倒的にかわし得点を重ねる。