第18章 そしてWCは伝説となる
「誠凛は神守中心に攻める事で得点源は神守だと思い込ませた。実際に神守はPFの上、今までの試合もほとんどが神守の得点だ。だが朱音は気が抜けない存在でありマークは外せない。その朱音が今回はパスに特化した攻めだと思い込ませれば、少なからず朱音への注意は逸れる」
「そこへマークチェンジを細かく変え、朱音への注意を更に薄くしている。その上黒子のように独断で動けば相手の視界から消え、且つ相手の頭にない動きも再現出来るのだよ」
「とは言ったが、やはり黒子のように周りに溶け込むというのは容易ではない。さすが朱音だ」
僕の言葉に真太郎と涼太は自分の事のように喜び、石黒と相原は自分の事のように鼻を高くした。そして僕は自然と首元にある指輪に触れ、次にパワーストーンへと手を伸ばした。