第18章 そしてWCは伝説となる
宗助「なぁ、薄々感じていたんだけどよ、お前たちが朱音の言ってたキセキの世代か?」
「えっ!朱音っちが俺らの事話してくれてたんスか!?」
花帆「うん、凄く強い男の子達がいるって。黒子君も含めてね」
「黒ちんとも知り合いなの~?」
宗助「黒子と火神と朱音と俺達は同じクラスなんだぜ!」
「ほぉ…それなら納得がいくのだよ」
花帆「何の納得?」
「それは俺から話すッス!前に黒子っちにメールした時、珍しく返信が来たかと思えば、球技大会で優勝したって自分から話題ふってきたんスよ。で、それにびっくりして俺から緑間っちに聞いてみたってわけ!」
宗助「…黒子、俺らのメールには普通に返してくれるんだけど…お前って何か可愛そうな奴だったんだな」
「ひどっ!」
懐かしいこの空気。ここに全員はいないが以前のように僕は楽しんでいた。朱音の言う通り、過去の思いでは変わらない。そしてインターバルは終了し、第3Qが始まる。誠凛はポジションを元に戻していた。と言うより、第1Qと同じ攻めだった。が、何かがおかしい。
「これは…そういう事か」
花帆「どういう事?」
「見ていれば分かるのだよ」
暫く見ていると朱音の姿が見えなくなった。かと思えばいきなり現れてスティールを決めた。
「これは…予選で霧崎第一戦の時に黒子っちが使った戦略!?」
「あの時とは少し違うが、パスコースが読める点では同じなのだよ。黒子が独断でパスコースを変えたように、朱音も独断で動いている」
「だけどあれは黒子っちのミスディレクションがあったから気付かれる事もなく出来たはずッスよ!朱音っちはかなり存在感あるわけだし…」
「いや、存在感は簡単に誰かに移せる。第2Q、やけに神守にボールを集めているとは思っていたが、このためだったとは」
第2Q、誠りんは神守中心に攻めていた。神守の調子が良いためだと思っていたが、どうやらそれも伏線だったようだ。まだ分かっていない石黒が、僕にどういう事だと訪ねてくる。