第18章 そしてWCは伝説となる
『えっと…まずは水希君から。彼は静岡県に住んでるあたしのいとこの妻の妹の夫のお母さんのいとこの息子で…』
凜子「いや、分かんないし!えっ、何!?結局どういう事!?」
『とにかく、いとこの家に遊びに行った時にたまたま仲良くなったのがこの笹原水希君。同じ高校1年生だよ。部活は確かバレー部だったっけ?』
水希「おう!改めて笹原水希だ、よろしくな!で、このちっこい奴は誰なんだよ」
「おい、それは僕の事か」
水希「お前以外に誰がいるんだよ」
「…調子に乗るなよ」
『…はぁ。やめなさい、2人とも。水希君も、これ以上征ちゃんを刺激しないで。彼は京都の洛山高校1年生で主将の赤司征十郎君。水希君はキセキの世代って聞いた事あるかな?その主将もやってたんだよ』
水希「へぇ…お前が智也兄が言ってた奴ね」
あたしは朝の会話を思い出した。確かにお母さんとお兄ちゃんはあたしに朗報があると言ってた。何回かしか会った事がないけれど、あたしと水希君は凄く仲良くなったから、それについてだろう。
『水希君、もしかして試合見に来てくれたの?』
あたしが声をかけると水希君は嬉しそうに抱き着いてきた。約3年会っていない水希君の体は、いつの間にか男の人のがっちりとした体になっていた。
水希「おう!智也兄に誘われてな。久しぶりに朱音に会いたかったから喜んで来たぜ!」
「朱音から離れろ」
水希「…嫌に決まってんだろ。そもそもお前に言われる必要ねーし」
「…そうだな。今はまだ、だがな。だが1つ忠告しといてやろう。僕と目線を変えずに話す事を許しているのは僕に従う者だけだ。逆らう奴は何人たりとも見下ろすことを許さない」
『!ちょ、征ちゃんストップ!』
征ちゃんは水希君の肩に手を置き、眼を使ってバランスを崩させた。水希君は立っていられずその場に尻餅をついた。周りは圧倒されてしまい、一気に静かになる。
「頭が高いぞ」
征ちゃんの声は綺麗に響いた。