第18章 そしてWCは伝説となる
翌日。
『もー!何で起こしてくれなかったの!?』
母「あまりにも幸せそうに眠っているからつい…可愛いから写真も撮っちゃった♡」
お母さんは1枚の写真を見せてくる。紛れもなく、あたしと征ちゃんだった。しっかりと手を繋ぎ、顔が凄く近い自分達の姿を見るのは恥ずかしかった。
『撮っちゃった♡じゃないよ!てかいつの間に撮ったの!?それより部屋に入ったなら起こしてよ!』
母「アラームが鳴っても起きないのが悪いんでしょ。さ、早くロードワーク行ってきなさい。時間ないわよ」
『うっ…じゃあ行ってきます!行こ、征ちゃん』
よっぽど征ちゃんの隣が安心したのか、アラームの音に気が付かなかった。そしてロードワークの時間が削れてしまったのだ。いつもより短い時間を黙々と2人で走る。そして帰ってきた時にはすでに全員が起きていて、皆で一緒にご飯を食べた。
父「今日は綾ちゃんとの試合だと聞いていたが、どうやら変わったらしいな。だがやる事は変わらんぞ」
『大丈夫だよ、お父さん。皆ちゃんと切り替えられてるから』
兄「今日は俺達皆で見に行くからな。しょうがねェから赤司、てめぇの試合も見てやるよ」
「…どうも」
母「今日はキセキの世代の人と試合なんだってね?頑張ってね。それと朱音、朗報よ。今日は珍しい人が…」
兄「あー!母さんストップ!サプライズの方が楽しいだろ?」
母「それもそうね。さ、ご飯食べたのならシャワー浴びてしまいなさい」
『?はーい』
あたしと征ちゃんは交代でシャワーを浴び、支度を済ませ電車で移動した。征ちゃんの試合までまだ時間はあるけど、あたしの試合を見たいとの事で一緒に出発したのだ。電車の中は同じWCを見に行く人も多く、その中でも誠凛と洛山のジャージは目立つ。