第18章 そしてWCは伝説となる
「さて、細かいルールを教えてもらおうか」
兄「簡単なルールだ。今から俺達が行う事に対して"やめろ"と言わなければお前の勝ちだ。もちろん似たような意味もout。ただそれだけだよ」
「…ほぉ、分かった。では始めてくれ」
木吉「よし、じゃあスタートだ」
てっちゃんが言った途端、あたしはもの凄い速さで体を引っ張られた。そして気が付けばお兄ちゃんの腕の中にいた。
『ちょ、お兄ちゃん!いきなりどうしたの?』
兄「何でもないよ。たまには可愛い朱音をこうやって抱きしめたくなるんだよ。それに今までずっとやってきたじゃないか」
『今までって…まぁそうだけど最近は違…』
木吉「朱音ーっ♪俺も俺も!」
『え?てっちゃん?』
兄「まぁ気にすんなって。鉄平もお前の兄貴みたいなモンだろ?」
お兄ちゃんの言葉によって、今度はてっちゃんに抱きしめられる。
木吉「朱音ってふわふわしてるんだなー。それにすっげぇ良い匂いだ」
『どうしたの?てっちゃんまで。よしよし』
てっちゃんは大きな体もお構いなしに抱きしめてくる。そしててっちゃんの頭をあたしの肩にウリウリと押しつけてくる。甘えてくる姿が可愛いと思ったあたしは、てっちゃんの背中を優しく叩きあやすように言った。
「ぐっ…そういう事か。卑怯だぞ!」
兄「あれー?今のはやめろって事でいいのかなぁー?」
「…構わない、続けてくれ」
木吉「そうか?じゃあお言葉に甘えて。ちょっとこっち向いてくれ」
征ちゃん達の行動が全く読めないあたしは、言われるがままてっちゃんの方を向いた。そして同時に頬に柔らかい感触を感じた。それはてっちゃんの唇であり、キスをされた事に気付いた。