第18章 そしてWCは伝説となる
『分かってるよ。てっちゃんが心配だったんでしょ?その気持ちはあたしも同じだよ。だからこそてっちゃんを信じたかったの。それがてっちゃんの支えになるなら』
お兄ちゃんはもう一度ごめんと呟き、マッサージを再開した。そんなお兄ちゃんを元気づけようと、てっちゃんと昔会った時の話をした。
木吉「けどまさかたまたま会った1人のスポーツトレーナーの智也さんと、その妹の朱音。その2人とこんな関係になるとは思ってなかったな」
『それはあたしもだよ。それにまさかてっちゃんが先輩になるなんてね』
木吉「先輩後輩って言うより、兄妹だろ?俺は1人っこだし、兄妹も欲しかったから今こうなってすげぇ嬉しいよ。智也さんは俺の理想の兄貴だし、朱音はすっげぇ大事にしたい可愛い妹だ」
『なら良かった。あたしもてっちゃんもお兄ちゃんだと思ってるよ。お兄ちゃんの場合、年が離れすぎてるせいか、極度のシスコンだからね』
兄「…ははっ、極度なのは朱音もだろ?極度のブラコンさん」
木吉「極度のシスコンか。実際俺も妹が朱音だったらそうなってただろうな」
『…もう、皆して…』
あたしが恥ずかしそうにしたのを見て2人が笑う。つられてあたしも笑顔になる。あたしの大好きな2人。何年経ってもずっとこうして皆で笑っていたいな。
そして数分後に征ちゃんがお風呂から上がって帰ってきた。お兄ちゃんに先に入れと言われたため、お風呂に向かった。征ちゃんはお兄ちゃんのマッサージ方法に興味を持ったのか、近くで見せてほしいと伝え、今ではじっくりと観察していた。そんな光景が少し嬉しくなり、あたしは気分の良いままお風呂に入った。