第18章 そしてWCは伝説となる
「そうだな。だが涼太は負けない。朱音は涼太を見守っていてやってくれ。さすがに洛山の試合を行っている今、僕が涼太の試合のをのんびりと見ている訳にはいかないからな」
今は洛山の試合も行っていた。もちろん僕が出なくても勝てる相手だが、僕がベンチにいれば玲央達の気も入るだろう。テツヤ達誠凛がいる近くまで朱音と一緒に歩く。
『ありがとう、征ちゃん。助けてくれて、ここまで送ってくれて、あたしを救ってくれて。ここで大丈夫だよ。征ちゃんは玲央さん達の所に行ってあげて。あ、あと葉山さんに知らせてくれてありがとうって伝えておいて』
「分かった。帰りは僕が迎えに行くから、それまで絶対に1人になるな。神守達と一緒にいろ」
『うん。帰りはお兄ちゃんが迎えに来てくれるから、お兄ちゃんと一緒に待ってるね』
朱音はまた後で、と言って行ってしまった。無事にテツヤ達と合流したのを確認すると、僕も下に降りた。とにかく朱音が無事で良かった。いつの間にか倒れた事も感じさせないほどに安心しきっていた僕は、いつものように玲央達の元へ合流し、アップの様子を見ていた。
玲央「あら征ちゃん。休んでなくて大丈夫なの?」
「玲央か。問題ない、朱音が無事ならそれで問題ないんだ」
葉山「えー?なになにー?朱音ちゃんに何かあったわけー?」
根武谷「ゲェーーー。そうなのか?赤司」
玲央「ちょっと!汚いわね!ていうかあなた達はデリカシーってモンがないの!?」
あーだこーだと言い争う玲央達から視線を外し、涼太達のコートを見る。灰崎は僕自身が手を下したかったがそれは無理だ。だから後は頼んだよ、涼太。