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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


茉実「火神君のPGもいけるじゃん!」

『これはてっちゃんのPGと似てるけど全く別物だよ。てっちゃんの時は全員の連携が目的だったのに比べ、こっちはより確実に大我君でフィニッシュするためのモノ。両チーム攻撃力が相手の守備力を上回っているため点の取り合いになる。だけど…』

「皮肉なモンだな。その攻撃がチームプレイが信条の誠凛が火神頼みの攻め、紫原のいる陽泉が連携での攻めとはよ。だがここからは取りこぼしは命取りだし、上回っているとは言え陽泉の守備力には気は抜けねぇし、外す可能性のあるテツのファントムシュートはそうそう使えねぇ。結局中で点を取れるのは火神だけだ」

『一見互角に見えるけど、やばい。分が悪いのは誠凛に決まってる。残り時間は着々と減っているのに2ゴール差までしか縮められない。今だって着いて行くのに精一杯の上残り1分。点差を縮めるにはどこかで止めなきゃいけないのに加え、大我君はギリギリに近い。勝つためにはあと1歩足りない…』

するとここで誠凛にメンバーチェンジが告げられ、あの男が帰ってきた。あたしは右耳にあるお兄ちゃんとお揃いのピアスを外し、手の中に収めた。お兄ちゃん、てっちゃんを守って。そう願いながらコートの中に立つてっちゃんを見る。ラスト1分、行ってらっしゃい。

「ただのピンチだろ?終わったわけじゃない。楽しんでこーぜ!」

そして残り48秒、ここからが正念場だ。残り50秒切って4点差。

『誠凛が勝つためにはこれ以上点を取られたら終わり。つまりここから陽泉の攻撃を連続で止め、連続で決めなきゃならない』

はたしてこの超難関、突破できるのか。そしててっちゃんが戻って来た事により、前半と同じトライアングルツーに戻した。1つ違うのは水戸部先輩からテツ君になってる事により中のゾーンは弱くなっている。えどテツ君は何をしてくるか分からない怖さがある上に、ゾーン状態の大我君のヘルプの速さは尋常じゃない。むしろ前半より要注意になる。

「さすがに慎重だね」

「あぁ…が、腹は決まったみてーだな。…来るぜ」
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