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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


「相手の跳ぶタイミングを見てからどちらでも撃てる。気付いた所で意味なんざねーってわけだ」

そしてテツ君のファントムもついに外れた。誠凛のOFの要が崩れてきた上に、DFはオールコートで突破されたら打つ手はない。そしてだんだんと点差が開いてきた。

「…ったくバカヤローが。このままじゃ負けだな。アイツの考えてる事なんざ手に取るように分かるぜ。大方どうせ、ゾーンに入れればとか考えてんだろ。が、このままじゃ一生かかってもゾーンに入る事なんか出来やしねぇよ」

「…え?」

『ゾーンってのは1回目より2回目の方が遥かに入る事が難しくなるの。一度体感してしまえば、あのなんでも思い通りになるような状態を知ってしまえば自然ともう一度、という気持ちは湧いてしまう』

「けどその気持ちこそ雑念。集中状態であるゾーンに入るために1番あっちゃなんねーもんだ。ま、朱音のような天才は別としてだな」

『それは大ちゃんもでしょ。つまりはゾーンに入るためには、ゾーンに入ろうとしちゃダメなんだよ』

ボールが外に出て、それを青のジャージに黄色い頭を持つ涼君が拾った。何か喋ってたようだけど、コートに戻った大我君の目付きが変わった。ゾーンに入った大我君を縋っていた以前の大我君ではなくなっていた。そしてTOあけ、誠凛は2-3ゾーンをやめ辰也さんにトリプルチームをつけた。どうやら冷静になったようだ。

茉実「凄い…火神君の動き、さっきまでと全然違う…」

優希「むしろ徐々にスピードもパワーも増してきてる!?」

『…どことなく似てるね。1番ノッてる時の大ちゃんに』

「はぁ!?似てねーよ」

あっ君のダンクをブロックした時にそれは起こった。この土壇場でついに大我君はゾーンに入ったのだ。

「はっ…やりゃあ出来んじゃねーか。黄瀬と何か喋ってたみてぇだが…おかげで何か吹っ切れたみてーだな」

「ゾーンに入る事を諦めてプレイに集中した事で結果的に雑念が消えて、逆に入れてしまったって事?」
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