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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


第4Qが始まる前、誠凛は再び円陣を組んでいた。そして始まった。ハーフラインで陽泉ボールから始まった最終Q、2-3ゾーンで大我君が真ん中にいた。これは陽泉と同じ陣形だ。

「…バカが。紫原と同じように中を1人で全部カバーするつもりかよ」

『…多分てっちゃんの分まで、って思った結果だよ。けどこれは間違ってるよ、大我君』

するとここでベンチに動きが見えた。てっちゃんとリコさんがどこかに向かったのだ。てっちゃんはともかく、監督であるうリコさんがベンチを外すとなれば事態は大事だ。けどコートの中に動揺はない。あたしは視線をコートに戻した。

あっ君のアリウープに届く事も無く大我君は止められなかった。早く大我君が気付かなければ手遅れになる。一方OFはテツ君のファントムを起点に食らいついていた。けどテツ君のシュートは100%ではなく、いつ外れてもおかしくはない。そしてついに陽泉が動いた。S.A.MDFに対して、辰也さんにボールを渡して全員が上がったのだ。

「まさかここで1on1…」

辰也さんは大我君を抜き、テツ君のスティールにも反応してハーフコートへ突破した。けど2-3ゾーンを始めた頃からる違和感が確信へと変わった。

『…ねぇ大ちゃん』

「あぁ。何やってんだか、あのバカは」

「え?」

そしてここにきて辰也さんのミラージュシュート。どうやらあの動き、大我君は仕組みを分かっているようだ。

花帆「ねぇ朱音、氷室さんのあのシュートの仕組みって一体何だったの?」

『あ、そうだったね。あれは空中で2回ボールをリリースしてるの。1度目はジャンプして最高点に達する前にスナップを効かせて真上に放り、それをキャッチしてもう1度撃つ。並の選手ならただ2回放っただけにしか見えないけど、ただのフェイクすら一瞬本物に見えるほど洗練されたスキルを持つ辰也さんがやった時のみ、1度目のリリースが陽炎を生み2度目に放たれた実物を覆い隠す。それがこのシュートの正体だよ』

藍「つまり止めるためには今の火神君みたいにブロックに跳ぶのをワンテンポ遅らせればいいんだね!」

「いや、そう簡単な話でもねーよ」

そう、これは簡単な話じゃない。それを示すように辰也さんは1度目のリリースでシュートを撃った。
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