第6章 合宿
痛い。痛い。何で私がこんな目に合うの。ただマネージャーの仕事をしているだけなのに。ただここにいるだけなのに。
先輩「どうしたの?何か言ってみれば?私、本当は男の子目当てでマネの仕事やってるんですぅ!ってさ!きゃはははっ」
先輩「ちょっとそれ素直すぎー!」
どうして。
「わ、私は本当にただ皆を支えたいだけで…」
少し反論してみれば胸倉を掴まれる。
先輩「だからー、その態度がムカつくっつってんのよ。何様?」
「ひっ!た、助けて…」
先輩「それ誰に言ってんの?あんたに友達なんていないでしょう?あ、黄瀬君?それとも赤司君?ただの幼馴染で恋人役やらせてる青峰君?」
この人たちは分かって言っている。私が大ちゃんや赤司君に何も言えないのを。黙っていると何とか言え!とまた殴られそうになる。私はギュッと眼をつむった。
「…?」
だけど一向にその手は私に降りかかることはない。代わりに先輩の慌てた声が聞こえてきた。
先輩「だ、誰よあんた!」
『申し遅れました、鈴城中生徒会長です』
彼女、若槻朱音さんは綺麗な顔でさらに綺麗に笑って見せた。