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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


『待って征ちゃん!綾は…』

「朱音は黙っていろ。片岡、僕が言った事を忘れたとは言わせないぞ」

『征ちゃん!』

あたしは叫んでいた。いきなり大声を出した上に、あたしと征ちゃんが一緒にいる。注目を浴び、遠巻きからヒソヒソと何やら言われているのが分かる。場所を変えようと言ってきた征ちゃんに対して、あたしは少しも動かなかった。気を遣った綾がごめんと謝り、その場を去ろうとするがあたしがそれをさせなかった。

『征ちゃん、綾に謝って』

「…なぜ僕が?片岡は僕との約束を破ったんだ。それにこれは朱音、君を想っての事だ」

『あたしはそんな事望んでない!』

「君は片岡に言われた事を忘れたのか?」

『そうじゃない。さっきも綾はあたしに謝ってくれた。そして今あたしのライバルである事に変わりはないよ。その綾にこんな仕打ちをするなんて、いくら征ちゃんでも許せない』

征ちゃんは何も言わなかった。それを機に綾を連れてその場を離れた。綾は申し訳なさそうに謝ってくるけど、逆にあたしが綾に対して失礼な事をしている。それを伝えると綾は気まずそうに笑い、チームへと戻って行った。あたしも皆の元に戻ろうとさっき通った道を1人で歩く。

『許さないは言い過ぎたかな…』

「その通りだよ」

『征ちゃん!』

いつの間にかあたしの後ろには征ちゃんがいた。その表情から読み取られる征ちゃんの機嫌は、いつにもなく悪かった。征ちゃんは着いて来いと言わんばかりに歩いて行った。あたしもそれに黙ってそれに着いて行く。2人で会う時にはもう定位置となったあの場所に。
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