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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


『あっ君また身長伸びた?』

「どうだろう~。朱音ちんは小さすぎるんだよ~。けどそれが可愛いんだけどね~」

あっ君は顎であたしの頭をウリウリしてくる。縮んじゃうよと言うと、それでもいいの~と呑気に答える。

辰也「そろそろ行かなきゃな。帰るぞ敦」

「えー、もっと朱音ちんと話したい~」

辰也「別に今日で終わりなわけじゃないんだ。朱音ちゃん、敦の相手またしてやってね」

『辰也さんってお兄さんみたいですね』

「えー?室ちんが兄貴か~。それは嫌だな~。じゃあね、朱音ちん」

あっ君はいつの間にかさっきあげたパイの〇を完食していた。宗君はあっ君の身長に圧倒されていたようで、最後には羨ましいと呟いていた。対する花帆は辰也さんに一目惚れしてしまったようで、ずっと辰也さん辰也さんと繰り返していた。

そして翌日。3回戦が行われる今日、観客席に収まりきらなくなり立ち見する人が続出していた。そんな中あたし達の試合は行われた。さすがに強豪の中から更に強豪校が勝ち上がっているせいか、あたしはフルで出場した。けど終わってみれば143対71。ちょっと頑張りすぎたか、そう思っていると観客席に綾を見つけた。綾と目が合うと2人同時に微笑む。綾のいる立翔高校とは準決勝で当たる。

綾は携帯を取り出し何やら文章を打つ。終わったと思えば形態を見るようにジェスチャーしてきた。整列も終わり控室に戻ると携帯を確認する。そこには少し話さない?と一通のメール。あたしは場所を指定すると、茉実達に綾に会ってくると告げその場に向かった。皆に大丈夫なのかと心配されたけど、あたしは大丈夫だと答えた。

『綾』

綾「久しぶりね、朱音。試合見てたよ、また巧くなったじゃない。けど次こそは負けないから。あの時と一緒だと思わないでね」

『うん。全力の綾とやるのが楽しみで仕方無いんだから』

綾「相変わらずのバスケバカね。それと朱音…IHの時はその…ごめん。やっぱり朱音には謝りたくて」

『もうあたし達は立派な好敵手だよ。それはずっと変わらない。また親友に戻れる時が…』

「朱音」

くるよ、そう言葉を繋ごうとしたけど、その言葉は怒りを含んだ征ちゃんの言葉に遮られた。征ちゃんは勘違いしている、もうあたし達の間にはあの時のような空気はないのに。
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