第18章 そしてWCは伝説となる
『初めまして、アレックスさん。若槻朱音と言います』
アレ「朱音かー!こっち来いよ!」
「あ、おい朱音!あんまそいつに近づくな!」
『えっ?』
何でと聞こうとした時には既にアレックスさんの唇が目の前まで来ていた。あたしはそれをギリギリの所でかわす。大我君がアレックスさんにもうキスは禁止!と叫んでいる。アレックスさんは残念がっていたけど。それにしてもやっぱりキスされようとしていたのか。危ない、あたしのファーストキスが女の人に奪われるところだった。
「それで、何で日本に来たんですか?」
アレ「ん?ああ…んん!?お前っっいつからいた!?」
「最初からいました」
アレ「ホントか!?あー、お前が大我の言ってた…なるほどな、聞いてた通りめっ~~~ちゃくちゃ弱そーだな!」
「いやだから…そーゆータイプじゃねんだよコイツは」
テツ君は少なからずショックを受けているようだった。そして話を戻す。アレックスさんは日本に大我君と辰也さん、愛弟子2人の試合を見に来たそうだ。辰也さんはあっくんと同じく陽泉の選手。そしてあと2回勝てばその陽泉とあたる。もうすぐにでも2人が戦うと思っていたアレックスさんは驚いていた。そして日本のバスケに興味をもっていたというアレックスさんと、明日の試合を一緒に見に行くという約束をしてその日は解散した。
翌日、女バスと男バスは一緒に会場へ向かった。今日の試合は真ちゃんが出てくる。最後に会ってから何倍もの力をつけてきているようだった。今のままじゃ勝てないと判断された大我君は、どうやらアレックスさんと特訓を始めるらしい。テツ君だって…
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「朱音さん、僕にシュートを教えてくれませんか?」
『…え?』
「朱音さんも試合があるのは分かっています。けど今のままでは勝てません。景虎さんに言われた壁、それを越えなければ。僕の知る限り一番巧いのは朱音さんと青峰君です。ですがやはり青峰君には少々頼み辛いと言うか…」
『悪いけどそれは受けられない。テツ君は大ちゃんに教えてもらうべきだよ。もちろんあたしだって嫌で言ってるわけじゃないよ。だから大ちゃんに頼んでみて、ダメだったらあたしが教える。それでどうかな?』
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