第18章 そしてWCは伝説となる

日向先輩がオーバーフローとバリアジャンパーの合わせ技をしようとするが、テツ君の効力はすでに切れていた。大我君が日向先輩を呼び、大ちゃんと対峙。２人が接触した時あたしは直感的に感じてしまった。このダンクは止められる、と。それに応じてか大我君はてっちゃんにパスを出し、若松さんに対してフェイク。バスカンをもらった。残り５秒で１点差、フリースロー１本もらった今、決めれば同点。

茉実「凄い…これが鉄心…」

『もちろんてっちゃんも凄い。けどあたしがそれ以上に驚かされたのが大我君のアシスト。元々彼は空中戦を向上させるための左手のハンドリングをずっと練習していたのにも関わらず、目の前の相手に集中しすぎていたせいか、その成果を発揮できていなかった。けどゾーンに入って視野が広がり雑念が消えた事によって、この土壇場でモノにしてみせた』

雅「決めれば延長…」

『でもそれはダメ。誠凛が勝つためにはここで絶対に逆転するしかないよ。延長を戦いきる力はもう残ってない。そのためにこのフリースローを外しそれを奪って決める、これしかない。その上シューターはてっちゃんだからセットするのは大我君と日向先輩。可能性があるとすれば大我君しかいない』

宗助「火神…頑張れ火神…頑張れ！」

てっちゃんのボールはやはり外れ、それを大我君が捕った。が、大ちゃんがブロック。ボールはフリーラインを越え今吉さんがフリー、このままだと負ける。けど彼はそこにいた。味方の桐皇でさえ大我君に捕られたと思っていただろう。その証拠に大ちゃんが弾いてから動き出すまでに、コンマ何秒か遅れていた。それより出だしが速いなんて…

今吉「火神ではなく…青峰の方を信じたっちゅうんか！？」

「…いいえ、少し違います。僕が信じたのは両方です。でも最後に決めてくれると信じてるのは１人だけだ！火神君！」

テツ君はボールに追い付き、イグナイト廻によって大我君へ。そしてその繋がれたパスをブザービートと共にリングへ叩き込んだ。得点ボードに２点が追加されスコアは101対100。

審判「タイムアップー！」