• テキストサイズ

It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


今までの大ちゃんは精々80%位の力で戦っていた、それでも敵わなかったのだ。100%の大ちゃんを体感するとおそらく倍近く速く感じるだろう。しかも今までDFにはあまり積極的じゃなかった大ちゃんが動いたのだ。これが他のキセキの世代もあたしも初めて見る、大ちゃんの本当の姿。ゾーンに入った事でオーバーフローを使ったシュート精度ダウンも効かなくなっている。全てにおいて圧倒的だった。

誠凛も必死に返すが大ちゃんは止まらない。大ちゃんに大我君がつくものの、あっさりとかわされてしまう。そしてオーバーフローも大ちゃん以外の人に対しても効力を失いかけていた。ここでボールが外に出れば誠凛にとって分が悪くなる時、テツ君が体を張ってボールに食らいついた。それをてっちゃんが決める。

「ここで離されるわけにはいきません。皆の想いを背負ったエースは絶対に負けない。信じてますから、火神君を」

テツ君の言葉にあたしの目からは自然に涙が溢れていた。隣にいる花帆と宗君が手をギュッと握ってくれる。そうだ、まだ皆戦ってる。2人に手を握り返すと視線をコートの中に戻した。もう何度目のマッチアップか、抜かれたと思った大我君が大ちゃんに反応してバックチップ。まさか大我君も…

『ゾーンに入った…』

「…前言撤回するぜ火神ィ…最高だなお前!」

ゾーンに入った者同士がぶつかる試合は初めて見るが、まさかここまでとは。もう1分近く点が入っていない。お互いブロックに阻まれ得点を許していなかった。もはやあの2人だけ次元が完全に違う。ゾーンによる集中力と反応速度が最高速度を超えているのだ。

宗助「すげぇ…でも何で他の奴らは動かねぇんだ?あの2人以外でボールを回せば…」

『それは意味無いと思う、多分結果は変わらないよ。ゾーンって言うのは100%の力を発揮するだけのモノじゃない。雑音はもちろん周囲の声、音、景色の色まで不必要な情報は全てカットされるの。その分目の前の相手だけじゃなく、他の選手の位置や動きとかの必要な情報の処理能力が向上する』

花帆「…え?つまり?」

『要は視野が広がるの。その上最速の大ちゃんと最高の大我君だよ、守備範囲は常人のそれを遥かに超える。今の2人の前で生半可な攻めは逆に危険なんだよ。だからこそ勝負の行方は2人のエースに託された』
/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp