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It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


誠凛が出てくると観客席から頑張れなどの声が聞こえる。これど桐皇が出てきた時はそれ以上の歓声が聞こえた。桐皇はIH準優勝校、そしてキセキの世代のスコアラーでエースだった大ちゃんがいる。そして審判によって試合開始の笛が鳴らされた。

最初のボールは誠凛が捕った。そのまま速攻をしかけようとするが、桐皇は全力でDFに圧力を注ぎ込んでいた。

凜子「凄いプレッシャー…まるで終盤の勝負所みたい」

『桐皇が誠凛をナメてないって証拠だよ。波に乗らせるのは危険って考えた証拠』

そして伊月先輩のボールはスティールされ桜井君が捕り、そのままシュートを狙う。だけどこの軌道はシュートじゃない。ゴール前には大ちゃんが跳んでいて、そのままアリウープを決めた。だけど誠凛の顔からは怯んだ様子も見られなかった。そしてテツ君まで渡ったパスに、テツ君はイグナイトのフォームを作る。

優希「イグナイト!?青峰君には通用しないんじゃ…」

『そのはずなんだけど…テツ君が何も考えてないはずがないから、きっと何かある』

同時にてっちゃんが走る。けど本当にテツ君の行動が分からなかった。あたし達はトレーニングの仕組み上体育館を開ける事が多かった。その時に練習していた新技なんだろうか。テツ君はボールを殴る前に体の回転を入れた。そして弾かれたボールは大ちゃんの手を弾き飛ばし、てっちゃんの手に渡った。だけどてっちゃんの前には若松さんが追いついていた。カウンターを読んでいたようだ。だけど後出しの権利によりダンクモーションに入っていたのをパスに切り替え、大我君に渡すとそのままアリウープを叩き込んだ。その前のテツ君のパス、イグナイトパス廻。初めて見る強化型だった。しかも速さ以上に驚いたのは大ちゃんの手を弾き飛ばすほどの貫通力。

茉実「これは一体…」

『おそらく秘密はあの螺旋の回転力』

捺美「ただ回ってるだけなのに?」

『例えば拳銃の弾っていうのはね、螺旋状に回転する事で弾道を安定させると同時に貫通力を高めているの。同じようにテツ君も全身のネジりをボールに伝える事で飛躍的に威力を高めた』

大ちゃんはさっき弾かれた手を見る。あの桐皇がこのまま黙っているはずがなかった。
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