第18章 そしてWCは伝説となる
景虎「そう言えば黒子とは小学からの付き合いらしいな。あいつ、どう思う?」
『…正直あたしも分かりません。テツ君のプレイスタイルは飛び抜けて異質ですからね。けど今のままではどうしてもぶち当たる壁があります』
景虎「だよな。俺もそれは一応伝えるつもりだが、実際上手くいくか、どう乗り越えるかはアイツ次第だ」
体育館の中で必死に練習するテツ君を見る。キセキの世代を倒すためには皆の成長はもちろんの事、テツ君と大我君の成長が鍵となる。けどこればかりは自分で気付いて自分でどうにかするしかないのだ。あたしは応援するだけ。求められたら少しの助言をするだけ。相談されたら一緒に悩むだけ。そしてWCが開催されるまでの1か月弱、あたしたち誠凛バスケ部は練習を重ねた。
そして今日はWC開会式。男女一緒に行う開会式では見知った顔がたくさんあった。スポンサーの獲得やテレビ中継の開始などにより、夏のIHと同様かそれ以上となったのが、東京体育館で開催されるビックタイトルだ。全部で7日間行われるWCでは、1日目と2日目に1回戦を全て終わらせる。女バスは2回戦から、男バスは1回戦から桐皇と当たり、その試合は今日行われる。
リコ「なっにっをっやっとんじゃあのバカはー!もう開会式終わっちゃいましたけど!?」
福田「何か時差の事忘れてたみたいで…もうすぐ着くそうです」
大我君がまだアメリカから帰って来ていない。何かやると思ってたけど、まさか遅刻とは…溜息を1つつくと携帯が震えた。征ちゃんからの着信だ。内容は今すぐに正面入り口のトーナメント表の前に来てくれとの事。茉実に一言抜けると伝え、その場に急いだ。
『征ちゃん!』
「やぁ、朱音。元気だったか?」
『うん!もちろんだよ!征ちゃんも相変わらず元気そうだね』
選手「オイあれ…IH優勝校の洛山と誠凛の主将じゃね?」
選手「本当だ!天才PGだろ?」
選手「バッカ、天才どころじゃねえよ!キセキの世代の主将と鈴城の姫様だぜ!?」
選手「何で2人でいるんだろうな?」
『…場所変えようか』
「そうだな。これじゃゆっくりと話が出来ない」
あたし達は人目を気にして目立たないような場所を探した。