第17章 WC予選での波乱
「…ちょっと便所行ってくるわ」
「あ、大峰君!ちゃんと帰って来てね!」
「へいへーい」
正直俺はこうなる事を予想していた。ただ1つ予想外だった事が朱音と木吉の関係性。どうやら兄貴も含めて信頼し合った関係らしい。その木吉をあれだけ痛みつけた今、朱音の機嫌も悪くなるのは当たり前だった。そしてそれはテツも同じ。トイレに行くとその花宮がいた。無視しようと思ったが声をかけられた。
花宮「…やぁ、こんな所で会うとはね。キセキの世代エース、青峰大輝」
「…なんだ、アンタか」
花宮「相変わらずしつけがなってねーなー。敬語使えよ」
「つかアンタとは試合で1・2度やっただけだし。相変わらずコスイ試合やってんな」
花宮「コスイ?ははは、勘弁してくれよ。ラフプレー(あんなもん)ただの餌だ。奴らをハメるためのな」
「ふーん…よくわかんねーけどアンタこの試合、負けんぞ」
花宮「…はぁ?ふはっ、去年出来たばっかでお前らに手も足も出なかった奴らに?ナメられたモンだぜ。寧ろどうやったら負けるのか教えてほしいね」
「別にナメてるとかナメてないとかそーゆー話じゃねぇ。理由なんざねーよ。ただアンタはテツを怒らせた、そんだけだ」
花宮「…へぇ」
「それに俺もアンタを認める気はねぇよ。朱音を怒らせたからな」
花宮「…元鈴城の姫様か。そう言えば木吉と仲良かったけか。まぁ別に朱音を怒らせようがお前に認められないが俺には関係ねぇよ。上で黙って誠凛が負けるトコでも見てな」
花宮は顔には出さなかったが、握られた拳により悔しさがよく分かった。さつきの情報では花宮は朱音に少なからず好意を抱いていた。そんな奴が朱音の名前を出して動揺しないわけがない。少しでも心を揺らした。後はお前の番だ、テツ。