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It’s a miracle!!!

第15章 summer vacation


昼食の時間もあっという間に過ぎていたことに今気付いた。ご飯を食べるため、水族館内に設備されている水槽を見ながらご飯が食べられるレストランに行った。何を頼めばいいのか分からなったため、この店で1番人気のメニューを頼む。征ちゃんは本日のおすすめメニューを注文していた。程なくして料理が運ばれてくる。会話をしながら口に料理を運ぶ。

『これ美味しい!』

「それは良かった。僕にも一口くれないか?」

良いよと言う前に征ちゃんは口を開いた。まるで餌を待っている魚のように。まさかこれは…あたしは征ちゃんを見る。

「僕にも食べさせてくれ。もちろん、朱音からね」

こうなってしまった征ちゃんは何を言っても聞かない。その事を十分に分かっていたあたしは、恥ずかしさを抑え征ちゃんの口に料理を運んだ。

「うん、確かに美味しいな。特に朱音に食べさせてもらったからね。僕のもあげるよ。ほら、口を開けて」

さっきあたしがやったのと同じように征ちゃんはフォークに料理を乗せ、あたしの口元に運ぶ。早く口を開けろと言わんばかりの距離。恐る恐る口を開くと、優しく口の中に料理が送り込まれた。

『…美味しい』

「それは良かった」

一体征ちゃんは何度あたしの心を破壊すれば気が済むのだろう。それくらいあたしの心臓は常にドキドキしていた。料理も食べ終え、水族館を後にした。次はどこに行くんだろうと思っていたが、聞いても教えてはくれなさそうなので聞かなかった。電車に再び揺られていると、見慣れた景色に戻っていた。帰ってきたのだ。今日を過ぎればもうWCまで会う事はない。まだ時間は3時過ぎ。もう少し一緒にいたかったと思ったあたしは、残念な気持ちになった。
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