第15章 summer vacation
氷室「ダメですか?」
「あ、ダメ。室ちん、うち確か草試合とか禁止。だから止めたんだ。忘れてた」
氷室「そうなのか?参ったな…」
「だからほら!行くよー!朱音ちんも早く~」
「ちょっと待てよ!いきなり乱入してきてそれはねーだろ。ちょっと混ざってけよ」
「「火神!?」」
火神君がキセキの世代を前にしてそんなに簡単に下がるわけないもんね。あたしはこっそりと溜息をついた。するとあっ君が火神君の眉毛に疑問を持った。そして、抜いた。確かにあたしも火神君の眉毛は気になったりもした。2本生えてるようにも見えるし、なんか長いし。天然にも見えるあっ君に降旗君と福田君がイメージと違う、変わってると感想を一言。
「彼はバスケ以外のネジが基本緩いです。スポーツ選手でたまに見かけるタイプですけど、ある分野で圧倒的な才能を持ちながら、逆にそれ以外は何も出来ない。バスケでスイッチが入った時は、無敵です」
「…!なーんだ、ガッカリだわ全く。そんなビビりだとは知らなかったぜ。逃げるとかダッセー」
…火神君。さすがにあっ君でもそんな幼稚な挑発には乗らないよ。本当にバ火神君だったんだね…
「はぁ?逃げてねーしっ」
『のるんかいっ!』
ごめん火神君。あたしが間違ってた。そしてあたしのツッコミにも気にすることなく会話は進んでいく。
「オイオイ無理すんなよ?ビビってたじゃん」
「無理じゃねーしっ!てゆーかビビッてねーし!そっち入れてー」
審判「だからダメだってー!」
審判の注意も虚しく、辰也さんに言われた通りにチームの人がエントリーしていた石井君だと言い張った。そして同じTシャツに着替えたあっ君と辰也さん。火神君曰く、辰也さんはああ見えて目的のためには手段を選ばないそうだ。そしてやけになった審判は2人の参加を許可したのだった。