第15章 summer vacation
「若槻!?」
『あ、久しぶりだね。火神君』
「知り合いなの~?朱音ちん。ってアラ~?黒ちんじゃん、なんで?つか相変わらず…真面目な眼だねぇ…真面目すぎてヒネリ潰したくなる…なーんてウソウソっ!」
あっ君はテツ君の頭に手を伸ばすと、そのままテツ君の頭をわしゃわしゃと撫でた。あっ君はさっき、途中まで本気でテツ君の頭を潰そうとしていた。そしてここに来る途中にコンビニで買ったお菓子を食べる。そして黒髪の男の人、氷室さんを紹介してくれた。
氷室「君が朱音ちゃんか。敦から話は聞いていたよ。俺は氷室辰也。敦と同じ陽泉高校に通う事になったんだ。そして大我の兄貴分。よろしくね」
『初めまして、誠凛高校の若槻朱音です。よろしくお願いしますね、氷室さん』
氷室「辰也で構わないよ。それにしても敦、来ないかと思ったよ」
「つーか急に会う場所変える方が悪ーし!俺今日朱音ちんと遊ぶって言ったし~。それなのに日本帰って来て東京見物したいってゆーから来たのに…なんか結局バスケとかしてるしさ~」
氷室「ああそうか。悪い悪い。面白そうだったんでついな。朱音ちゃんもごめんな」
降旗「ちょ、流したけど!陽泉って確かIH出場校じゃ…!?若槻は東京だから帰って来てるんだろうけど、陽泉って秋田だろ?何でこんなトコに…」
「あー、だって俺出てねーし」
あっ君の言葉に降旗君達は驚く。あたしは理由を知っているけど皆は知らない。驚くのにも無理は無かった。何で?と聞かれるあっ君は平然と答える。
「さぁ…?てゆか赤ちんが言ったからそうしただけだし。ね、朱音ちん」
降旗「は!?赤ちん?」
「…赤司君です。キセキの世代で、主将だった人の事です」
テツ君の言葉の後に審判からの笛が鳴る。急に試合を止められた事、それと辰也さんがチームお揃いのTシャツを着用してない事への注意だった。