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It’s a miracle!!!

第14章 高校バスケの頂点


そして綾だけではどうにもならないと思った立翔はあたしにトリプルチームをつけたため、OFには参加できないでいた。DFでもあたしがマークしている綾にはボールを回さずに、残りのメンバーで得点を重ねていく。負けじと誠凛も茉実達の力で追いすがるが、追いつきかけていた得点が徐々に開いていった。そして第4Qに突入、スコアは64対79。このまま第3Qと同じように攻めても逆転出来ないことは明白だった。残り時間も6分少々。藍にTOを要請した。

『このままいっても勝てない。あたしが征ちゃん達との試合にやった事覚えてる?』

藍「!けどあれは朱音の体に負担が!」

『大丈夫。あれから何回か練習したし、体力もかなりついたから。けど問題が1つ。練習時の最大時間はもって5分と少し。効果が切れてしまえばきっとあたしはもう動けない。そうなると残り時間は皆だけに任せる事になる。もちろんあたしも最後まで保たせる努力はするよ。けどこれは正直賭け。どうなるかはあたしにも分からない』

茉実「…何言ってんの。言ったでしょう?私達は朱音に着いて行くって。朱音がやるって決めたんなら、私達もやるに決まってるよ」

皆の眼には強い光が宿っていた。どことなくテツ君を思い出させるような眼だった。TOが終わり、再びあたしのマークに着く綾。

綾「確かに朱音は上手いけど、このトリプルチームは抜けないよ。そして勝つのは私」

『綾は少し変わったね。昔の綾ならこんな時でも絶対諦めなかった。それに勝つのはあたし達、だから』

あたしはゾーンに入った。当時何回もゾーンに入る練習をしたけど、簡単に入るのはやはり無理だった。思考錯誤した結果、あの時と同じ状態や気持ちになる事でそれは可能となった。皆のために、そう強く思う事で。ゾーンに入る事が出来たあたしは止まらなかった。トリプルチームをものともせず、点差を縮めていく。そして5分が過ぎた。あたしの足元には凄まじい量の汗が落ちている。TOは使い切った。残り時間は1分と13秒。切れそうになる集中力を必死に繋ぎ止める。

「「「「「朱音…」」」」」
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