第14章 高校バスケの頂点
藍「朱音?どうしたの?動きが変って言うか…」
凜子「いつもの朱音じゃないよ!?」
捺美「朱音が抜かれたり止められたりするの、初めて見た」
優希「何かあったの?体調が悪いとか…」
雅「何だったら私が交代するけど…」
『大丈夫だよ、ごめん。次からはしっかりするからさ』
この時、あたしは自分の事に必死だった。だから気が付かなかった。茉実の思いに。TOが終わり、第1Qが再開する。自分のプレイをするだけだ、と思っても実際に綾の目の前に立つと体がいう事を聞かない。マークを変わってもらおうにも綾は強い。あたしは自分の体が元通りいう事を聞くようになるのを待った。そしてそのまま第2Qが終わってしまった。控室に戻るとすぐに茉実はどこかに行ってしまった。探しに行こうとしたけど、藍に止められた。
『皆、ごめん…あたしのミスばかり…』
凜子「気にしないで!って言いたいけど…本当にどうしたの?」
優希「私達には言えないことなの?」
『大丈夫。次からはしっかりするから』
あたしは必死に自分に言い聞かせた。皆に言うわけにはいかない。これはあたしと綾の問題なんだ。それなのに皆を巻き込むわけにはいかない。インターバルの半分が過ぎた所で、控室の扉が思いっきり開かれた。そこには茉実と、征ちゃんがいた。
『征ちゃん!?何でこんな所に…』
「君がそんな弱い人間だとは思わなかった。心外だよ、朱音」
あたしの言葉をかき消すように征ちゃんの声が室内に響く。まるでゴミでも見るような視線があたしを射抜く。不愉快になったあたしは征ちゃんに伝える。