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It’s a miracle!!!

第14章 高校バスケの頂点


準決勝も勝ち、今日はついに決勝戦。対戦相手は綾のいる立翔高校。一足先に優勝を勝ち取った洛山高校の人たちが、スタンド席から見てくれている。征ちゃんと目が合ったあたしに、征ちゃんは口で頑張れと伝えてくれる。横で玲央さんも手を振ってくれている。その隣では元気そうな男の人が玲央さんに何か聞いている。確か名前は葉山小太郎さん。そしてその横には何かを食べている大柄な選手、根武谷永吉さん。皆同じように洛山のジャージを着ている。玲央さんに手を振り返すと練習に集中した。

綾「朱音」

『綾!今日はお互いに頑張ろうね!」

綾「…朱音、私が前に言ったこと覚えてる?私が赤司君の事を好きって言ったこと」

『…もちろん、覚えてるよ』

綾「だったら何で赤司君とそんなに親しくするの?私のこと馬鹿にしてるの?」

『ちがっ…』

綾「私、赤司君と約束したんだ。もしこの試合に勝ったら私と付き合ってって。朱音は私のこと応援してくれるんでしょ?…じゃあね」

『綾!』

綾は聞こえていないのか、自分のチームに戻り練習を再開した。暫く頭を整理するためにベンチへと戻った。何で戻ったのか分からない藍が心配してくれたけど、何でもないよと言った。そして整理がつかないまま、試合は始まってしまった。今日は雅ではなくあたしがスタメン。さすがに気が抜けない相手だった。あたしのマッチアップは綾。ボールが綾の手に渡ると、あたしがDFをしなければならない。立ちふさがったあたしに、綾はキッと睨みつけてくる。今まで見たことのないような顔で。それに怯んだあたしの隙をついて、綾が抜きそのままシュート。あたしが抜かれるとは思っていなかった茉実たちは、ヘルプに入ることも出来なかった。

そして今度はDF。さっきの失態を挽回するように次々抜いていく。そして残るは綾のみ。今はチームが勝つために必要な事だけ考えるんだ、と自分に言い聞かせ、ドライブで切り込もうとする。抜ける、そう思った時だった。

綾「うそつき」

綾の一言があたしの体をいとも簡単に硬直させた。そして綾がボールを奪い、カウンターは成功。流れは簡単に持って行かれた。すかさず藍がTOを取ってくれた。
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