第14章 高校バスケの頂点
あっ君と別れ、ホテルへと着いた。もう慣れてしまった生活。いつものようにご飯を食べ、ミーティングを行い解散。それから皆でお風呂に入り疲れを癒す。その後は少し雑談をしてから自室へと戻り、睡眠。今日は明日準決勝が控えていることもあり、早めに部屋に戻った。柔軟をしていると携帯が鳴る。着信は征ちゃんから。少しだけ躊躇い電話に出る。内容は今から部屋に行ってもいいかということ。あっ君から聞いた話に不信感をもったあたしは、話がしたいために許可の返事を返した。
「やぁ。こうしてゆっくり話すのは1日目以来だね」
『そうだね。それで、どうしたの?』
「…先に朱音の話を聞こうか。僕に聞きたいことがあるんだろ?」
『…征ちゃんには隠し事は出来なそうだよね。じゃあ聞くけど、何であっ君に試合に出ないように言ったの?それを決めるのは征ちゃんじゃないでしょ?』
今日あっ君から聞いた話、それは征ちゃんから次の試合には出るなと言われた話だった。昔からあっ君は征ちゃんに凄く懐いていた。あっ君も征ちゃんのいう事なら素直に聞く。だからと言ってもうチームも違えば、征ちゃんにそんな事を言う資格もない。
「あぁ。確かに決めるのは僕じゃない。だが敦は僕が言わなくても試合には出なかったよ。僕には分かる」
『それもそうだけどさ、何で征ちゃんはそんなこと言ったの?』
「そうか、まだ朱音の耳には入っていないのか」
征ちゃんはベッドに座っていたあたしの隣に腰を下ろす。2人の重さを感じたベッドがギシリと軋むような音を立てる。
「今年の冬に行われるウィンターカップは特別だそうだ。何でも開催回数が50回目らしくてね。そこでIH上位2チームは特別枠として無条件で出場出来る。その分の枠はそのチームの都道府県には影響しない。ここまで言えば、朱音なら分かるだろう」
『それってつまり…キセキの世代と6人目を含めた全員が集合する…!』