第14章 高校バスケの頂点
会場から惜しみなく拍手が送られる。例に漏れず、あたしたち誠凛の皆も拍手を送った。男バスの皆さんの表情が硬くなっているのが分かる。
『大丈夫です、皆さんは強い。それにまだまだ伸びます。冬に見せつけてやりましょう。誠凛高校バスケ部を!』
「若槻…そうだな」
リコ「そうと決まればいつまでも呆けてられないわ!帰って早く練習するわよ!」
「…え?あ、帰んの?…ですか?この大会他のキセキの世代も出るんじゃ…」
リコ「そりゃあ出来れば最後まで見たいわよ!」
「いやだから、ホテルとか見つけて…」
日向「ハハハ、ホテルか。おい火神…どこにそんな金あんだ!ボンボンか!お前実はちょっとボンボンか!ついでにそん何泊もしたら監督のパパにぶっ殺されんだよ!」
リコ「というわけだから、私たちはこれで帰るわ。女子も頑張ってね、応援してるから」
凜子「任せておいてください!私達が優勝旗持って帰りますから!」
木吉「頑張れよ、朱音。決勝は智也さんも見に来るんだっけ?よろしく言っといてくれ」
『うん。てっちゃんも早く昔のようにプレイ出来るようにね』
男バスの皆さんは帰って行った。そしてホテルに戻るために席を立ったあたしたちの元に、懐かしい人が現れた。
「あれ~?朱音ちんー!」
『あっ君!もう試合終わったの?』
「うん!別に俺が出なくても勝てたけどね~。それよりさっき黒ちんっぽい人にすれ違ったんだけど~。黒ちんも出てるの?」
『ううん。でもさっきの試合を見に来てたから、きっとテツ君本人だったんじゃないかな』
「そうなんだ~。ねぇ、朱音ちん。俺明後日東京戻るからさ~、朱音ちんが帰ったら2人で遊びに行こうよ~」
『え?明後日って決勝の日だよね?まだ分からないのにもう帰っちゃうの?』
「うん。だって次の相手って赤ちんだし~。それに…」
あたしはあっ君の言葉を聞いて驚いた。そして同時に征ちゃんの考えが分からなくなった。今までも分からなくなることはあったけど、ここまで分からなくなったのは初めてだった。バスケのことだから、特に。