• テキストサイズ

It’s a miracle!!!

第14章 高校バスケの頂点


それから誠凛は順調に勝ち上がった。それはキセキの世代率いるチームも同じで、男女ともベスト8が出そろう。そして今日は準々決勝。つまり、涼君対大ちゃん。あたしたちの試合が終わり、控室からギャラリーに上がった時には既に試合は始まっていた。空席を探していると携帯のバイブが振動した。電話に出てみるとテツ君からで、下を見るように言われ顔を動かすと、そこには誠凛の皆さんがいた。

『皆さん、どうしてここに?』

リコ「近くで合宿してたのよ。女子はどう?」

優希「順調です。さっき4入りを決めました」

茉実「それにまだ朱音を温存出来ています。後半には出てもらうことが多いですけどね」

『それより、試合はどうなってますか?』

テツ君たちの後ろが空いていて、全員腰を下ろす。時計を見ると第1Qの残り時間は1分少々。笠松さん対今吉さん。笠松さんは一瞬涼君を見て、大ちゃんを振りきれていないのを確認すると、今吉さんと向き合った。そして5番にパスのフェイクを入れたあと、ドライブで切り込んだ。そしてフェイダウェイからのターンアラウンド。今吉さんも追いつくが、さつきの先読みデータをもってしても実際の笠松さんの速さに、爪を掠めることしか出来なかった。そしてリバウンドは海常がとる。それにしても海常10番のリバウンド時にここまで聞こえた掛け声…バーン?何のことだろう…海常はそのまま5番に繋ぎ、シュートを決めた所で第1Qは終了した。

「まさか青峰また手ぇ抜いたりしてねぇだろうな?海常が完全におしてるぜ」

「いえ、おそらく本気です。黄瀬君がそれを上回っているとしか」

『けど、このままいけるほど簡単じゃないよ。そろそろかな…』

「そろそろ?」

木吉「…その前に1ついいか?お前らどーやって海常に勝ったの?」

てっちゃんの質問に誠凛は固まった。そして言葉を濁すしか出来ていなかった。

「あと、青峰君が本気とは言いましたが、彼は尻上がりに調子を上げていく傾向があります。そしてそれは、朱音さんが言った通りそろそろだと思います」

そして第2Q。開始直後は不気味なほど静かな立ち上がりだった。そして先制点は桐皇だ。笠松さんが涼君にボールを回し、大ちゃんが前に立つ。あたしはゾッとした。ここまで伝わってくる、大ちゃんから発せられる圧力と集中力。そのままほんの一瞬でボールは弾かれた。
/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp