第14章 高校バスケの頂点
夕食を終え、ミーティングも終わり風呂にも入った。部屋に戻り明日の準備をしていると、同室の玲央に話しかけられた。
玲央「征ちゃんが女の子と話すなんて珍しいわね。あの誠凛の女の子、征ちゃんの恋人?」
「恋人ではないよ。だが僕は彼女の事が好きだ。中学からずっとね」
玲央「あら♡素敵じゃない、そういうの。告白はしないの?」
「僕が彼女に伝えるタイミングは、僕だけが知っておけばいい」
まだ伝えるべきではない。今伝えて、この関係が崩れるのは避けたかった。
玲央「ならどんどんアタックしなきゃね。彼女、モテるでしょ。顔も可愛いし、なんたってあの元鈴城中の姫様だからね~」
「…知ってたのか」
玲央「そりゃ有名人ですもの、彼女。たしか朱音ちゃんだったかしら?それにしても、同じ宿になるなんてラッキーね」
「僕と彼女の思考回路は同じなんだ。その2人が設定したホテルだ、同じにならないわけがない。と言いたいところだが、やはり驚いたよ」
玲央「征ちゃんって案外ロマンチックね。それより、あの立翔の女の子どうなったの?」
玲央に片岡から出された条件を説明する。征ちゃんが心配してない所をみると、大丈夫そうねと玲央は笑った。
玲央「せっかくその子に会えたんでしょ?会いに行かなくていいの?IH終わってしまえば、なかなか会う機会がないんでしょう?」
「それはそうだが、今行けば彼女の迷惑になってしまう」
玲央「あら、征ちゃんが今更人の迷惑とか考えるの?…冗談よ。それでも聞くだけ聞いてみた方がいいんじゃないかしら?どうせ明日は私達も彼女たちも試合は無いんだから」
いつの間にか情報を仕入れていた玲央に勧められ、聞くだけならと朱音にメールをした。すると数分後に返事が届き、その内容は驚くべきモノだった。まさかの彼女から返ってきた返事はOKとのこと。一緒に記入されていた部屋番号。すぐに残っていた準備を済ませ、玲央に一言だけ出掛けてくると伝え、部屋をあとにした。出て行く際、玲央の顔がニンマリと笑っていたのには、今日は目を瞑ろう。