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It’s a miracle!!!

第13章 それぞれの思い


暫くすると、テツ君が走って来た。あたしに気が付くと、ペコリと頭を下げる。どうやら話したいことがまだまとまっていない様子のテツ君に向かい、火神君は相手をしながら考えろなんて難しいことを要求した。そしていつの間にか14対0。

「…あんときから1つ気になってたことがある。何で俺を選んだんだ?」

テツ君は、一言目に謝った。嘘をついていました、と。テツ君がベンチ入りしたのは中2からで、それまでは何の取り柄もない選手だったらしい。その時には信頼されていたが、キセキの世代の才能が開花していくにつれて、その信頼は薄れていったとテツ君は言う。

「本当は…火神君でなくても良かったんです。ただ…彼らに僕のバスケを、火神君を利用して認めさせようとしていただけなんです」

「…ったく、何を言い出すかと思えば。そんなこったろーと思ったよ。ずっと感じてたよ。そもそも俺とアイツラは同種だ。キセキの世代のバスケを否定してやめたお前が、そんな俺と何で組むのか寧ろ合点がいったぜ。バスケやる理由なんて人それぞれだろ。俺は別に…」

「いいえ。火神君はもう、違います。今までの試合も火神君はいつも信じてくれました。ここに来る時見かけたイメージトレーニングも、あくまで皆で戦う事を想定してました。負けた後の言葉は決別なんかじゃなく、お互い一度頼る事をやめて別々に今より強くなるため、より大きな力を合わせて勝つために」

日向先輩が教えてくれたとテツ君は言った。そして訂正させてくださいとも。

「僕は誠凛に入ってよかった。先輩は皆素晴らしい人で、一緒に頑張る同級生もいい人ばかりで。火神君は僕を信じてくれた。僕はもう帝光中6人目黒子テツヤじゃない。誠凛高校1年黒子テツヤです。自分のために誰かを日本一にするのではなく、火神君と…皆と一緒に日本一になりたい!そのためにもっと強くなって、キセキの世代を倒します」

「…つーか俺は最初からそのつもりだっての。それよりまーた間違ってんじゃねーかお前!なりたいじゃねーよ、なるぞ!」
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