第12章 IH予選開始!緑と青と…
リコ「女子の試合はいつから?」
『男子と1日ずれているみたいですから…土曜日から月曜までですね』
リコ「…ちょうどいいわ。折り入ってお願いがあるの、朱音ちゃん。桐皇との試合の時だけでいいから、ベンチに入ってくれないかしら」
「「「「「「はぁぁぁ!?」」」」」」
日向「ちょ、待てよ監督!若槻だって自分の試合があるわけだし、それにエントリーだって…!」
藍「初戦の相手は朱音がいなくても勝てるので、そこは心配はしていません」
リコ「それにエントリーならマネージャーの欄に朱音ちゃんの名前を書いて提出しておいたから、そこも心配はいらないわ。桐皇に勝つには、朱音ちゃんの力が必要なの!」
あたしはリコさんの眼を見る。この眼は知っている。あたしたち選手と同じ、本気で勝ちたいという眼。次に茉実たちを見る。あたしは女子の主将であり監督でもある。身勝手な行動でチームから外れるわけにはいかない。
茉実「最初の1日だけなんでしょ?あたしたちの初戦には朱音はいるわけだし」
優希「練習って言っても調節だけだから自分たちで出来るよ」
凜子「あたしたちの分まで、青峰君を倒してきてよ!」
藍、捺美、雅も力強く頷いてくれた。あたしは頼もしい仲間たちに胸が熱くなった。
『分かりました、お引き受けします』
こうしてあたしは桐皇との試合の時、ベンチに入ることが決まった。それから決勝リーグまでの残された数日間、あたしたち男女誠凛バスケ部はひたすら練習をした。火神君の足も次第に良くなった。そして今日は金曜日。学校をいつものように終え、あたしと男バスの皆さんは電車に乗り、会場へと向かった。リコさんの言葉に喝が入る。そしてフロアへと足を踏み入れた。