第12章 IH予選開始!緑と青と…
今日は土曜日。本来ならみっちり体育館で練習するはずが、リコ先輩からの連絡で駅に集合することになった。それもなぜか水着を持って。
兄「あれ?今日休みだっけ?」
『違うよ。男バスの監督さんが水着一式持って駅に集合だって。詳しくは教えてもらってないから分かんないけど』
兄「なるほどな…って俺も今日はプール解放する当番だった…って」
「『…まさかね』」
お兄ちゃんはスポーツジムで働いている。それもプールがあるそこそこ大きい有名なスポーツジム。確か名前は…相田スポーツジム。リコさんと同じ苗字だ。だけど相田という苗字は多い方だと思う。まさかそんな偶然は起きないだろう。そう思いあたしとお兄ちゃんは別々に出発した。
駅に着き皆と合流して、目的の場所に向かった。そして着いた場所はお兄ちゃんに何回か連れて行ってもらったことのなる少し馴染のあるジムで、お兄ちゃんが働いている相田ジムだった。
茉実「あれ?ここって智也兄が働いてるジムなんじゃ…」
『あはははは…』
もう笑うしかなかった。リコさんに女子更衣室まで案内してもらい水着に着替える。更衣室から出ると同じように水着に着替えたお兄ちゃんが、リコさんと何やら話していた。そしてお兄ちゃんがあたしに気付く。
兄「朱音!?…やっぱ景虎さんが言ってた団体客っつーのは朱音達か…」
リコ「えっ?智也さん、朱音ちゃんと知り合いなんですか?」
『知り合いっていうか…あたしの兄です』
「「「「「えぇぇぇ!?」」」」」
日向「確かに面影は似てる!つかどっちも美形!」
伊月「この兄あらば妹もって感じだな。…妹持って漢字、棚!キタコレ!」
リコ「それは無理ありすぎんでしょーがぁぁ!」
いつの間にか集まっていた誠凛男女バスケ部。お兄ちゃんは監視役としてプールを見守る仕事だそうだ。ただ座ってるだけも暇そうなので、藍にいろいろ教えてくれるように頼んだ。それからリコさん特性のプール練を行った。誠凛高校からは徒歩10分という近場にあるこのジムでは、朝練として何回もプール練を行っていたらしい。今回はジムが休館日らしくて、せっかくだからあたしたちも、ということになり誘ってもらった。筋トレには負荷が凄くかかってしまう。が、水中なら浮力によって体を痛める心配はない。だけど同時に物凄い量の抵抗も加わるため、超キツイ。