第12章 IH予選開始!緑と青と…
茉実「わーい!久しぶりに朱音の家にお泊り~!」
捺美「おばさんの手料理久しぶりだな~」
雅「楽しみっ!」
藍「智也さんにメニューの作り方教えてもらおう!」
優希「あ、じゃあ私はおばさんにお菓子の作り方おしえてもらおうかな」
凜子「えー!皆ずるいー!私も純粋にお泊り楽しみたいー!」
『甘ったれないの!凜子、女バスの命運は凜子が握ってるって考えな』
凜子「…はーい」
「「「「「「お母さんだ…」」」」」」」
男バスの皆さんの声が綺麗にハモった。それからあたしたちはバスケの練習時間は削らず、休み時間や深夜を使って猛勉強を開始した。男バスの方もリコさんの家で特別合宿を行っているようだった。そして今日はテスト当日。始まる直前まで単語帳を開きブツブツ言っている火神君に、テツ君がある物を渡した。真ちゃん特性、コロコロ鉛筆を。何でも湯島天神の鉛筆で作ったありがたい物らしかった。
テストが始まり、教室から話し声は消え、カリカリと鉛筆を走らせる音だけが響く。そして最後の国語の時だけは、違う音が混じった。まるで鉛筆を転がしているような音。まさか…
「火神君…まさか…」
「うるせーよ…50分ずっと鉛筆を転がしてたよ、俺は…」
『…やっぱりか』
あたしとテツ君の顔には不安の色が濃く映し出されていた。そして凜子の元に行ってみれば、赤点はま逃れたという何とも頼もしい言葉をもらった。そして今日はテスト返却。火神君の名前が呼ばれ、どうだった!?とテツ君と詰め寄る。そこには信じられない結果があった。
『ちょ、え!?国語98点!?鉛筆転がしてただけなのに!?』
「…さすがですね、緑間君は」
その後、先輩達が来ては火神君の結果に驚愕していた。あたしも凜子の元へ行ってみると、満面の笑みで結果を見せる凜子にホッとした。因みにあたしは今回も満点、主席ゲット!こうしてテストによってIHへの切符を手にすることが不可能、という最悪の事態を回避しすることができた。そして練習に今まで以上に集中出来たのだった。