第12章 IH予選開始!緑と青と…
真ちゃんは自身のゴール下からシュートモーションに入った。
『な…にやって…』
茉実「まさか…」
そして。そこから誠凛のゴールへとボールを放り、そしてゴールネットを揺らした。
「そんな手前ではないと言ったのだよ。俺のシュート範囲(レンジ)は、コート全てだ」
会場が静まり返り、コートの中にいる真ちゃんの声が響いた。そしてそのまま第1Qが終わった。
『…涼君、中学時代の真ちゃんのシュートレンジは確か、ハーフラインまでだったよね』
「その通りッス。俺も正直ビビったッスよ…」
『やっぱり真ちゃんも成長してるよね…って涼君、Ipod落としたよ』
「あ、すんませんッス!」
―「…みずがめ座のあなたは今日は大人しく…」
涼君のIpodから録画されたであろうおは朝が流れる。そしてその間にも第2Qは始まっていた。テツ君を引っ込めた誠凛は最初のボールを取るも、すぐに奪われた。そして真ちゃんの手に渡り、いきなりシュートを打つ。が、火神君がそこにはいた。いつの間に走っていたのか。いや、そんなことより…
『高い…』
藍「まさか…いくら発展途上だからってそんな…」
小金井先輩のシュートが入り、再び真ちゃんの手にボールが渡る。シュートを打った真ちゃんの前に、火神君が立ちふさがった。さっきよりも高く飛んで。指に触れたであろうボールの軌跡は、少しだけ不安定になりリングに当たってかろうじて入った。
―「…獅子座の方とだけは相性最悪!出会ったら要注意…」
『…藍、火神君の星座って…』
藍「…獅子座だよ」
『全く、よく当たる占いね…』
それから第3Qは日向先輩の3Pが決まり、オールコートでボックスワン、つまり火神君が真ちゃんにマンツーマンでつき、残りの先輩達は決められたスペースを守った。10番のスクリーンも意にも解せず、モーションに入った真ちゃんの後ろから追いつく。そして再びボールに触れた。そして軌道はずれ、シュートは外れたものの、大型Cの4番、大坪さんによってねじ込まれる。そして小金井先輩は大坪さんにダブルチームについた。