第12章 IH予選開始!緑と青と…
そのまま誠凛は逆転に成功した。しかし相手は王者正邦。すぐに取り返してきた。王者を舐めるな!そう言わんばかりに。
「オールコートマンツーマン!?」
笠松「守るどころかもう1ゴール獲る気だ…!」
伊月先輩がボールを持ち、突破出来ないでいると、すかさず水戸部先輩のスクリーンによって助けられ、テツ君にパスを出す。同時に土田先輩が走っている。それを呼んだ津川君がパスコースへと立ちふさがる。
笠松「パスコースから逆算して察知したのか!」
もう時間がない。ここで決められなきゃもう負ける。するとテツ君が構えていた手は、ボールに触れることなく空を切った。そして逆の手で日向先輩へとパスを出す。
審判「試合…終了ー!」
笠松「…勝ったか。最後のパスは冷や冷やしたぜ」
『まあ、そうですね。けどテツ君ならどうにかしてるって信じてましたから』
「黒子っちが羨ましいッス。それにしても、隣の秀徳も終わったみたいッスね。これで決勝は秀徳対誠凛か」
テツ君対真ちゃん。まさか公式試合でこんなにも早く当たるとは思っていなかった。
凜子「はぁ~、なんか疲れちゃった。次の試合まであと3時間あるけど、どうする?」
藍「確かに見てるこっちが疲れる試合だったね。私達の試合見てるより疲れた」
「そう言えば朱音っち達はどうだったんスか?予選リーグ」
茉実「もちろん勝ったよ。1週間後に決勝リーグ」
「さすが、余裕って感じッスね!ちなみに、朱音っちは出たんスか?試合」
優希「朱音を出すまでも無いわよ。ただ、決勝リーグには出てもらわなきゃかもだけどね」
笠松「そんなに凄いのか?月バスで見ただけだから、どんなプレイをしてるか分かんねえが…」
「朱音っちは凄いッスよ!ね、今度その試合見に行ってもいいッスか?」
『あたしは構わないけど…練習大丈夫?』
「そんなん休みにしてもらうッス!ね、笠松先輩!」
笠松「あぁ!?そんなん許すわけねぇだろ!でも、休みになったら見に行かせてもらうよ」
「先輩、素直じゃありませんね~」
穏やかな空気が流れている。ふと時間を確認するために携帯を取り出すと、懐かしい相手から着信が入っていた。あたしは皆に一言断りを入れ、電話を掛け直すべくホールに出た。