第12章 IH予選開始!緑と青と…
~12.IH予選開始!緑と青と…~
海常との練習試合から数日後、IH予選がすぐそこまで迫っていた。話に聞くと、テツ君たち1年生は食べれば恋愛でも部活でも必勝を約束される(という噂の)幻のパン、イベリコ豚カツサンドパン三大珍味(キャビア・フォアグラ・トリュフ)のせというパンも食し、弾みをつけたそうだ。
宗助「なー、火神の奴いっつも眠そうだよなー」
休み時間、隣の宗君(仲良くなったため君呼び)が訪ねてくる。宗君の言う通り、火神君はいつも授業中は机に伏せている。そしてそれはテツ君も同様だけど、気付かれないのはいつものことだった。
花帆「火神君も朱音と同じバスケ部なんでしょ?朱音はいつも起きてるのにねー」
『男子はあたしたちより練習量が多いんだよ。それに今は監督と一緒に特訓もしてるようだからね』
花帆は火神君の頭をツンツンとつつく。そしてその度に体が小さく動く火神君を見て、楽しそうだと思った宗君までもがちょっかいを出し始めた。結構鋭い一発が火神君の脇腹に入る。それによって火神君は目を覚ました。
「何だ!?って…石黒かよ。何やってくれてんだテメー」
宗助「いや、もうすぐ授業が始まるから起こしてやったんだぜ?むしろありがとうと言うべきだろ?」
「はぁ…まあいい。それより若槻。聞きてーことあるんだけど」
『うん。何?』
「若槻ってそんなに身長高い方じゃねーよな。自分より高い奴をDFするときってどうすりゃいい?監督はシュートを落とさせるのが目標だって言ってたけど…」
『…何気さらっと傷付くこと言ってくれたね。身長のこと気にしてたのに。けど…うん、いいよ。教えてあげる。言葉で言っても火神君の頭じゃ理解出来ないと思うから、実践で教えるよ』
「オイ!馬鹿にしてんのか、馬鹿にしてんだよな!?」
『次の時間って体育でバスケでしょ?その時がいいかな』
花帆「えー!朱音がバスケしてるとこ見れるの!?やったー!」
石黒「オイ、朱音!(仲良くなったから呼び捨て)俺とも勝負だ!」
こうして次の体育の時間に、レクチャーすることが決まった。