第12章 IH予選開始!緑と青と…
そして体育の授業が始まった。2クラス合同ともあって体育館にはたくさんの人で溢れていた。中学3年の頃はこのくらいの人数だったな、なんてしみじみ思ったりもした。あたしたちB組と合同で体育を行うのはA組。つまりは凜子のクラスだ。2人1組でパスの練習をしていたあたしと花帆の元に凜子がやって来る。
凜子「朱音ー!体育一緒とか嬉しすぎるよー!隣でやってもいい?」
凜子はペアの子を連れてきていた。断る理由も無かったため、良いよと言うと嬉しそうにパス練を始めた。花帆と凜子の友達、麻耶(まや)ちゃんと自己紹介を始める。
麻耶「朱音ちゃんのことは凛ちゃんからよく聞いてたの。とってもバスケが上手なんだってね!」
『え?あー…凜子が言うほど上手くは無いよ』
凜子「ううん!朱音は本当に上手なんだよ!」
花帆「そう言えば同じクラスの火神君って男の子と今日バスケやるんだって!それを見るといいよ!って私も朱音のバスケしてる姿は初めて見るんだけど」
凜子「え!?火神君とやるの?」
『うん。なんかDF教えてほしいんだって。リコ先輩も、初戦の相手は火神君が相手を止められるかどうかにかかってるって言ってたし』
そのうち笛が鳴り、次にドリブルからのレイアップをツーメンで行う練習に入った。すると男子のコートからどよめきが聞こえた。どうやら火神君がテツ君とペアを組んでダンクを決めたようだ。てか体育の時間にダンクってどうなの。
花帆「うわー!火神君ってただのバカじゃなかったんだね!」
凜子「ちょっと、朱音!何やってんの!?朱音もダンクしなきゃ!」
麻耶「え!?朱音ちゃんも出来るの!?」
『えー、やらないよあたしは。目立つし』
凜子「朱音は立ってるだけで目立つの!」
『何それ!?』
本来凜子の得意とするツッコミをあたしがしてしまった。凜子は負けず嫌いだからな~。こうなったら意地でも動かないからな~。あたしは溜息をつき、分かったよと返事をした。