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It’s a miracle!!!

第11章 海常高校のモデル


そして今日は海常との練習試合の日。いくら何でも練習を休むわけにはいかなかったが、彼らの試合を見たいのも事実。あたしたちは午前練習に変更し、今は海常に足を運んでいた。体育館に着くと、第2Qの途中だった。火神君対涼君。なかなか抜けないようだったけど、すぐにテツ君との連携によって得点を決めた。そして次はさっきと同じように見せて、ぎりぎりの所でテツ君が火神君ではなく日向先輩へとパスを遠し、そのまま3Pを決める。

「黄瀬君は強いです。僕はおろか、火神君でも歯が立たない。…けど力を合わせれば…二人でなら戦える」

部員「黒子が黄瀬のマーク!?」

凜子「え、これって意味あるの?黄瀬君は諦めたとか?」

優希「そんなわけないと思うけど…朱音何か分かる?」

『…テツ君で涼君を止めたいわけじゃないよ。むしろテツ君は抜かれてもいい。大事なのはその後。止めるんじゃなくて、獲るのが目的だよ』

テツ君は抜かれ、火神君がヘルプに入る。そしてその時に一瞬だけ止まった涼君の後ろから、テツ君がボールをバックチップした。

茉実「けどこれはもう使えないよね。黄瀬君もそんなに馬鹿じゃないと思うし。外も使えないわけじゃない」

藍「…いや、それでこそ火神君の高さが活かされる…」

『うん。平面はテツ君、高さは火神君がカバーすることで涼君を止められるって考えたんだよ、誠凛は。けどミスディレクションの持続時間を考えれば…』

テツ君のミスディレクションは長時間フルには持たない。テツ君に頼ったこの連携は…とまで考えた所で笛が鳴った。涼君の腕がテツ君の頭に直撃。瞼を切ったのか、テツ君からは血が出ていた。

捺美「うわー、痛そう…」

凜子「あちゃー、せっかく波に乗ってきたのに…残念だけど、交代するしかないよね」

『そうだね。だけど、そんなに差は無いと思うよ。日向先輩たちも強いから』

テツ君が交代してからも点を引き離されることもなかった。SGの日向先輩の3Pを起点に次々と加点をていく。他にも、イーグルアイを持っているPGの伊月先輩、フックシューターのC、水戸部先輩、何でもできるけどそこそこ、器用貧乏のF、小金井先輩。先輩たちはとても頼りになった。それでも全国クラスの海常相手にじわじわと点差が離されていく。

審判「メンバーチェンジ、誠凛!」

審判の声にベンチに目を向けると、テツ君の姿があった。
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