第8章 全中で
綾と話してから二日後。今日で全中も最終日。昨日戦った綾率いる海山中との試合は、綾の不在もあったが、率直な感想はあたしたちのほうが実力が上だったため、101対64で勝った。綾は悔しそうにしたものの、来年こそはと闘志を燃やしていた。そして今日は決勝。相手は青森の強豪、青森山本中学校。(※実際に似たような名前の中学がありますが、失礼ながらも名前を借りました!私が知っている中でスポーツ校と言えば青森山〇なんで…by作者)。特に冷や冷やしたプレイもなく、あたしたちは快勝と言っていいほどの成績で優勝した。そして今は閉会式。男子も一緒に行われる閉会式では、男子の優勝校、帝光主将の征ちゃんとあたしが教壇の上で優勝旗を受け取っていた。
「おめでとう、朱音」
『征ちゃんも、おめでとう』
あたしたちは階段を降りる途中で、周りに聞こえないようにひっそりと名誉を讃えあった。そして閉会式も終わり、残りは帰るだけだった。帰るために準備を促していると、声をかけられた。
「朱音っちたちも勝ったみたいッスね!おめでとう!けど、朱音っちのプレイ、もう一回見たかったッス」
凜子「黄瀬君、モデルのくせに変態!」
「な!帰ったらもう一回1on1しようぜ!」
「何を言っているのだよ、青峰。馬鹿か貴様は」
優希「良かった。帝光に緑間君みたいな常識人がいて」
「ねー朱音ちーん、俺頑張ったからお菓子ちょうだ~い」
雅「だめだよ!甘やかしちゃだめって赤司君も言ってたし!」
「そうですよ、紫原君。大体試合にお菓子を持ってきているのは紫原君ぐらいです」
『え?パイの〇でいいならあるけど』
茉実「…昔から朱音はそうだったね…」
汐音「いや、それはいいんだけどね…」
「「「「「「「「「なんでいる(の)(んスか)(んだよ)(のだよ)」」」」」」」」
あたしと征ちゃん以外の声が、見事にハモった。征ちゃんは深く溜息をつき、隣で征ちゃんの腕にくっ付いてニコニコ笑っている、綾を見た。