第7章 文化祭という名の…
審判「これより、10分間のインターバルに入ります」
審判の声により、ベンチに戻る。藍に頼んでさっきの真ちゃんとのマッチアップを映してもらっていた。そして最後のシュートを、茉実に見せた。
『茉実はこの休憩中、このタイミングを覚えて。真ちゃんを止められるのは茉実しかいない』
茉実「…はい!」
凜子が心配そうに見てくるが、茉実なら大丈夫だと告げる。
『第3Qからはテツ君は引っ込めて、涼君が出てくる。涼君はまだ発展途上だから何とか付いていけるはず。凜子、涼君は凜子に任せる。大丈夫、落ち着いていつもの凜子のプレーをすればいいから。あと、涼君は模倣を得意とする。敵味方関係なくやってくると思うけど、今の涼君にキセキの世代の模倣はまだ完全ではない。叩くならそこよ』
凜子「はい!私、頑張る!」
言い方は悪いけど涼君に勝つには涼君の弱点を突くしかない。経験の浅さ、という弱点を。涼君はあたしと戦いたいって言ってたけど、今のままじゃ無理だ。そして、あっ君も。
『捺美、キツイこと言うけど、あっ君にはどうしても勝てない。あっ君の身長は女のあたしたちには届かない。高さだけならまだしも、あっ君はウイングスパンも長い。あっ君からリバウンドを奪うのは至難の業だよ。だから、あたしが近くにいる時だけ、全力で動きを止めてほしいの。スクリーンででも、重心を落としてでもいいから。お願いできる?』
捺美「はい。最大限に努力します」
真ちゃんにはあんなこと言ったけど、あっ君は高すぎる。捺美の力を借りてあたしがどうにかするしかなかった。捺美の力なら、一瞬動きを止められる。
残る問題は…
優希「…私はどうしたらいい、ですか?」