第3章 接触
~3.接触~
先生「えー、じゃあ投票によって次の生徒会長は若槻朱音に決まりということで!」
『ちょっと待てぇぇぇ!何であたしなんですか!立候補もしてないのに!』
先生「はい、若槻。今は神聖な生徒会の役員決め且つ大事な集会だから。終わってからなら先生いくらでも聞くから。じゃあ次は副会長やりたいやつー?」
「「「「「「「「「はい!!!」」」」」」」」」」
『人の話を聞けぇぇぇぇ!!!!!』
あたしのシャウトも生徒たちの声にかき消され、先生までは届かなかった。隣で茉実が笑っている。
『茉実ー?笑ってないで何とかしてよ』
茉実「へ?朱音に出来ないことが私にできるわけないじゃん!大丈夫!朱音に近づく奴は私が退治してあげるからさ!」
『いや、そういうことじゃなくてね、茉実さん』
汐音「いやー、主将で監督の次は生徒会長ですか、朱音様」
副生徒会長の立候補が多すぎて対応に困っている先生が注意することもないため、学年を超えて行ったり来たりできるようだ。というかそんなにやりたいなら生徒会長だって譲るからというより寧ろやってください。なんて先輩に言うと、馬鹿ね!なんて思いっきり笑われた。…くそう、汐音先輩の練習メニュー今日は5倍にしてやる。
汐音「生徒会長が朱音だからみんなやりたがるのよ」
あたしが頭に?を浮かべていると、いつの間にやって来たのか分からなかった藍が怒っていた。
藍「ダメです!そんなことは許しません!」
汐音「なら藍が副会長に立候補して勝ち取ればいいじゃない」
すると今までしかめっ面だった藍がパァッと笑顔になれば、すでに人だかりが山のようになっている集団に飛び込んでいった。