第3章 Don't Sugar Less! 【分隊長×104期生】
…ハンジさんの「ちょっと」は、常人には理解し得ぬもの。
「わかってたのに!はあ…」
まんまと弱みに付け込まれた私は、
普段の訓練にもないようなメニューを課せられ全身筋肉痛だ。
私、そんなに…?
隣で夕食を食べるサシャに、覚悟を決めて尋ねてみる。
「…サシャ、私太ったかな?」
「ええ?どうしたんですか急に。
特に変わりはないように見えますけど…」
首をかしげる仕草に合わせてポニーテールが揺れた。
少し安心したが、
でも…と続けられ、体が固くなる。
「はお肉がついてたって素敵ですよ!
健康的でいいじゃないですか」
ニッ、と純な笑顔にあてられ、しばし放心してしまった。
「そ、そう?」
「そーです!
だからまた、美味しいお店に付き合ってくださいね!」
「…うん、もちろんだよ!」
えへへ、と二人で笑い合う。
好きな人と、好きなものを食べてる時が一番幸せ。
少し体重が増えたくらい何だ。
そんなの取るに足らないこと!
・ ・ ・ ・ ・
甘い香りを漂わせながら、今日も扉をノックする。
「ハンジさんっ、
今日のおやつはチェリーパイですよ!」