Beloved villains 〖ツイステ短編集〗
第6章 レオナさん、アズールくんの分岐夢
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「チッ、、、あの草食動物、変な勘違いしやがったな、、」
マジカメのトークを開き、送られてきた別れの言葉にイラつきでスマホがミシリ、と音を立てる
昨日はオクタヴィネルの奴らにオンボロ寮を担保にして追い出された監督生をかくまってやっただけだった、床で寝させたはずなのに寝ぼけてベッドに寝やがった。
「……勘違いするのも仕方ねぇな」
ベッドですやすやと眠る監督生を見ながらそう呟く、全ての元凶はお前だ、絶対許さん。
「んなぁ〜、、もう朝か、?まだ眠いんだゾ、、、」
グリムが起きてきたようだ、眠そうに目を擦りながらこちらに気づくと目を丸くする。
「ふなっ!?おい子分!!俺様を差し置いてベッドに寝るなんてずるいんだぞ!!!起きるんだぞ!!」
自分は床だったのに、いつの間にかベッドで寝ている監督生に怒っているようだ
「んん〜、グリム、もうちょっと寝かせてよ…………ん……?」
グリムの声で起きた監督生が異変に気づく
「あ、れ。なんでベッドで寝てるんだろう、、やけに寝心地いいと思ったんたよねぇ。あ、レオナ先輩おはようございます」
呑気に朝の挨拶をしてくる監督生にこめかみがひくりとする。お前がのうのうとベッドに寝やがるからこっちはめんどくさい勘違いが起きているというのに。
「グルル、、、てめぇ、覚悟は出来てんだろうなぁ?」
イラつきで喉が鳴る
「トイレ行った時に寝ぼけちゃった?のかな、、すみません、、泊めてくれてありがとうございます!」
そんな能天気な言葉とこれからのことで頭が痛くなりそうだった
「(まあ、あいつのクラスなり、部屋にこさせるなり話はできる大丈夫だろ。)」
余裕に思っていたのが間違いだったと気づくのは、その数時間後の事だった―――