Second reincarnation【ツイステ】
第10章 お礼
入学してから早一ヶ月
フロイド先輩とアズール先輩に、放課後時間ができたらオクタヴィネル寮の談話室に来るよう言われたので向かっていた
一週間くらい前にフロイド先輩に正体がバレそうになる事件があって、その件のお詫びに先輩二人が記憶を戻す薬を作ってくれたらしい
嬉しい気持ちいっぱいで談話室の扉をノックして、「どうぞ」という声が聞こえたので扉を開ける
「レイさん。よくいらっしゃいました」
「薬の件…作ってもらってありがとうございます」
「いえ…フロイドのことはこちらに非があるのでお構いなく」
「これ、小エビちゃんが欲しいって言ってた薬」
そう言ってフロイド先輩から小瓶を一つもらう
中には水色の液体が入っていた
これで本当に記憶が元に戻るんだ…と、その小瓶を眺める
「薬の効果なんですが…どこまでの記憶を戻せるかは分からないんです。試そうにも記憶がない人間というのが周りにいませんから…」
「そうですよね…でも、これで記憶が戻っても戻らなくても大丈夫です。何事もチャレンジ精神あるのみですから」
「小エビちゃんって、結構度胸あんねぇ…オレだったら効力がはっきりしない薬なんて飲みたかねーけど…」
そう言いながらうへぇ…というフロイド先輩を見て苦笑いをする
そりゃ、私も怖いけど…でも今は記憶が戻るかもしれないという期待の方が大きかった