Second reincarnation【ツイステ】
第29章 本当の世界
目を覚ますと、目の前のベッドには自分とそっくりな女の子が眠っていた
辺りをカーテンで仕切られてる…
見覚えがある場所だ。多分これは…どっかの病院かな
自分の両手を見ると半透明に透けていて、普通なら驚くところなんだろうけど
なんとなくこの状況を理解してしまってたので、妙に納得してしまう
多分ここは…私が帰ってこないといけない場所だ
こっちの世界の…本物の私が、起きようとしてる
でも肝心の魂があのワンダーランドにいるせいで目を覚ませないでいる
今見てるのは、一時的な…追体験…走馬灯…?
ああそう、幽体離脱。そんな感じだと思う
目の前で眠る私はまるでお人形のように微動だにしない
特にこれといった外傷はない…意識が戻らないだけなんだと思う
本当は…早く帰ってこないといけないんだろうな
でも…あっちの世界に…色々と残してきてしまった
まだ、帰れない
「…フロイド先輩のこともまだ話せてない。アズール先輩やジェイド先輩にお世話になったお礼もまだ。…お兄ちゃんと…ちゃんとお話も済んでない」
本来ならきっと二度と会うことはできなかった兄に…あの世界でなら会える
ちゃんと話がしたい
こんな喧嘩別れみたいなのは…いやだ
本当なら、こっちの世界に一緒に帰ってきて欲しい
…でも、それができないって…なんとなく理解してた
死人だということは…兄はあの時に死んでしまってるんだ