Second reincarnation【ツイステ】
第22章 虫の知らせ
シロ先輩たちが居なくなってから三十分を過ぎた頃
フロイド先輩が淹れてくれたココアをお供に、元の世界に帰る手掛かりを模索しようと本を読んでいて気づいたことがあった
…せっかくその…恋人同士というものになったけど
もし元の世界に戻ったら、もう二度とこっちへ来れなくなったらどうしよう
考えなかったわけじゃないけど、その時はまだ恋人同士になるだなんて思っても見なかったからあまり重要視してなかった
…フロイド先輩はどう思ってるんだろ…と、考えていると
「オレだったら行き来する方法を探すなぁ」
「……私、また声に出てました…?」
「顔に書いてあった。小エビちゃん分かりやすすぎ」
へらへらと微笑むその姿に、真剣に考えてていた心がゆっくりと柔らかくなっていく
フロイド先輩のその笑顔はもう一種の魔法なんじゃないかな…
「実際その…できるんでしょうか…行き来したり、とか」
「さぁ?…でももしそんな方法無かったとしたら…」
隣に座っていたフロイド先輩が、私の方に頭を預けて傾いてくる
…顔が、見えない